ときどき、半身浴をする。
風呂場で読むのは決まって週刊誌だ。
「週刊文春」4月3日号で
友納尚子さんの連載が終わった。
「ザ・プリンセス雅子妃物語」である。
私はこの連載が結構好きだった。
バッシングされていても、
本当のところはこうなんですよ、
じつはこんな葛藤が雅子妃には
あったんですよ、と
徹底して書かれていたからだ。
良識というのは地味である。
スキャンダラスに書けば、注目される。
彼女の記事に通底していたのは
前者の姿勢である。
彼女自身も、それはわかっていて、
覚悟の上でその姿勢を貫き通した
ように思える。
その静かな覚悟が好きだった。
そして、どんなバッシング記事よりも
説得力を持っていたと私は思う。
一人の妻として、一人の母として、
そして何より皇太子妃としての
雅子妃のお立場が、良識ある記事によって、
ぐっと自分にとって身近な存在になった。
雅子妃が胸に刻まれているという
母校の教育の言葉がある。
それを踏まえて、友納さんは
こう書かれている。
いつの世も「誠実」は
ときに誤解を受けやすいが、
これからも雅子妃は自らの証として
前を向いて行かれるだろう。
私はこの部分を読んで、
何と有り難いことだろうと思った。
友納さんの記事によって、
心の底から愛おしさに似た感情が
湧き起こってきた。
どういうわけか、目からも
汗が出てきてしまった。
いつの世も「誠実」は
ときに誤解を受けやすい。
けれど人間の美しさは、
「誠実」の中にこそある。